地球を泣かせないで~平和こそ命~を聞いて
地域支援事業担当理事 村田厚子
ある年配の方をこの会にお誘いした時、
「いや、思い出したくないから」
そう言われました。はっとしました。戦争を体験した人は、心の底に触れられたくない痛みを抱えているのです。
考えてみると私は父から直接、戦地での話を聞いたことは一度もありません。母からは、食べ物の調達がどんなに大変で惨めだったか、タンスの中身はみんな食料と交換したという話は何度か聞かされていましたが。
秋山勝彦さんの語り「ぼくの戦争」は、さらりと、時にはユーモアを交え、それなのに悲惨な映像がまざまざと見えてきました。
「原爆の生き残り」という胸に突き刺さる言葉に傷つき、被ばく手帳をもらわなかった秋山さんは、今ではしっかりと子どもたちに、ご自身が経験された戦争を伝えておられます。あっという間にすぎてしまった80分でした。
福島県田村市の宗像さんは、福島原発事故の放射能の影響で椎茸の生産が出来なくなった現状を静かに伝えてくれました。
膨大な数のホダ木(椎茸の植菌をした木材)を、やむなく処分しているところや、アンパンほどもある見事な椎茸の写真などを持参され、よく理解することができました。
6万本のホダ木は汚染物質としてブルーシートに覆われ、7年めに焼却され、700袋のごみになっているとか・・
秋山さんの語りも、宗像さんの語りも、穏やかに語ることで、かえって、怒りや悲しみ無念さがしっかり心に伝わってきました。
会の後半はパーソナルストーリーを聞きました。 秋山さんの「涙を流したワニ」!秋山さんは底知れぬユーモアの持ち主で 会場を笑いと煙(けむ)に巻いてしまいました。
会員の皆さんの語りも短くセンス良くまとめられて、笑いに包まれて楽しく会が終わりました。
最後に片岡理事長が、今、こうして笑っていられるのも、平和のお蔭ですよと、この会のテーマでもある平和こそ命!を強調されました。そして私たち語り手が 戦争の悲惨さや、平和のことを語ってゆかなければと結ばれました。
7月2日プログラム
1部「ぼくの戦争」 秋山勝彦
『ぼくの戦争 原爆はそらまめがこげるにおい』より
2部 パーソナルストーリーを語る
「自然の豊かな恵みを受けて」 宗像基子
「告げ口」 新田安季子
「脱いじゃだめ!」 井上雅美
「私の叔父」 高橋裕美
「勾玉」 野田登志子
「かわいいコロッケ」 須山優子
「涙を流したワニ」 秋山勝彦
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